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 白石区平和通三南に店とれんが造りの製綿工場を構える白崎繊維工業は、親子で「オヤコわた」をつくり、今年で創業六十ニ年になります。

 当社会長の白崎繁仁は毛皮用タヌキを飼育する家に生まれました。獣医師になったものの、戦争の混乱によって家が繊維業に転じ、やがて繁仁さんも後を継ぎ、オヤコわたの商標で寝具づくりを始めました。
 約千百個という、おそらく世界一の収集家になったであろう古今東西のまくらを集め、「後発が他社に追いつくため」と寝食を忘れて睡眠を研究し続けました。

 それが功を成して優れた品質管理で国の表彰を受け、客の体形に合わせた寝具の販売に徹したのもあって顧客は道内外に広がっていきました。
「客の求めにこたえる寝具屋でありたい」というのが会長の経営哲学です。
 営業などの外勤を担当する現社長の長男・邦彦は、大学で徹底的に経営学を学び、十年前に会長の後を継ぎました。
「大事なのはいかに優れた商品をつくり出すかだ」と考えています。

 オヤコわたの商標は、会長が自ら考案。
自社綿の暖かさをPRしようという意味で、仲むつまじい母子の姿をはめ込んで
いますが、この母子は会長の妻と幼いころの社長をモデルにしています。
(絵:真鍋 敏忠)