「寝床の科学」著者 白崎繁仁
発行:1997年11月3日 白崎研究所
北海道札幌市白石区平和通3丁目南1−4
白崎繊維工業内 TEL:(011)861-4146
●はじめに
人は毎日眠り、その都度寝具を使っている。寝具の話しをすると「眠りのために寝具は大切だ」と、その時は皆よく分かってもらえるが、日ごろは服や着物や装飾品ほどには関心は深くないように見受けられる。
社会変化とともに睡眠環境は年ごとに悪くなっているし、睡眠時間も年ごとに減少している。
一方「一日が25時間になったら、増えた1時間を何に使う?」という東京生命保険会社のアンケート調査(平成9年4月〜6月)では睡眠時間と回答した人が一番多く、19.1%であったという。
健康管理の面からもよい睡眠環境作りが必要となっている。つまり、社会生活での限られた条件の中で、いかにして質・量ともによい睡眠が得られるかである。それらの中で最も身近な生活必需品である寝具について「休息と眠りのための寝具のあり方」を考えて見てはと思う。
残念ながらこれまで寝具に関しての一般の人の関心も薄く、研究者も少ないので分からないことも多いが、私がこれまで寝具の製造に携わってきた体験と、研究室での成果や他の研究者の報文などで知り得たことを列記してみた。これからのよりよい生活の一助として参考になれば幸甚である。

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