白崎枕コレクション1,000余点に
古書・博物館などの枕を加えて写真紹介
第10回 枕の曲芸
枕の曲芸
多数の箱枕や木枕を使って、枕を重ねたり、角を使って形状を変えたり、さまざまな操作をする曲芸(枕返し)で慶安年間(1648〜1651年)に竹田四郎兵衛が放下(中世、近世の巷間芸能師)と組んで演じた。延宝(1673〜1681年)の頃には江戸では長島玉之助が枕返しの名手として評判であった。江戸中期以降では大道芸となり、角兵衛獅子もこれを演ずるようになった。
あざやかな枕返し寄席の夜日置英坊そのた耶郷の枕(棒や網の上でひじ枕をして横になり、空中に浮上する)、枕おどり[木枕(箱枕)を使ってお手玉のようにする曲芸]などが見物客を集めていた。
枕の遊び
では枕相撲〔握りこぶしの上に木枕(箱枕)を置き、ぶつけ合って落ちた方が負け。又は2個の枕(坊主枕、くくり枕)を床上に立てかけて先に倒れた方が負〕、枕引き(木枕の両端を二人が指先でつまんで引張り合う)、枕なんこ〔小豆や小石の入った小枕(お手玉)を片手或いは両手で放り上げながら何個握れるか〕、枕落し、枕顛狂などがあった。
枕引きさせてはよわい油売り 江戸川柳
枕の曲芸(「日本風俗図絵」)
懐月堂安度画 江戸時代
枕返し(宝永頃の枕返し絵番付より)
枕相撲 鳥井清満画 江戸時代