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第5回 籐 枕 |
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【 籐 枕 】 籐枕には丸形(No.758〜760,774)、平形(N0.772,773)、かまばこ形(No.751〜757)、半月形(No.761)、角形(No.776〜770)、角形の変形(No.771)、波形(No.762)、楕円形(No.763〜765)などがあり、夏用枕として愛用者も多い。 籐の加工品は遣唐使によって渡来したと言われ、以来1000年にわたって籐の加工品が作られてきた。古代の籐の加工品は簾(えびら)(矢を入れて背負う道具)、弓などの武具に使われ、江戸時代になってから笠、きせる、茶道具、小さな敷物や手さげかごなどに使われたが、材料が輸入で数も少なく高価で一般の人には手のとどかないものであった。籐枕がいつ頃からなのかは定かではない。 現在私の手元にある古い籐枕は何れも明治以降のものであるが、当時の技術からみてもそれ以前でも作られていたのではと思われる。 明治に入ってから籐の輸入も増え、中国からの技術も導入されて.どびんづる、下駄の表、火鉢に籐を巻いたり、家具のような大きなものも作られるようになった。大正時代には藤に着色したり、昭和になってからは籐製品の流行もあってますます盛んになった。 籐には200種以上の種類がある。主産地はインドネシア、マレーシア、フィリピンなどで昭和10年頃は日本の藤の輸入は米国に次いで2番目で、この頃が一番たくさん作られた時代である。 籐の材料には棒状の太民、中民、幼民と丸藤、皮藤などがある。 太民(ターミン)は径28ミリ以上の太さのもの。 中民(チュウミン)は径20〜28ミリの太さのもの。 幼民(ヤンミン)は径20ミリ以下のもの。 丸藤は表皮の硬い艶のあるセガ(艶藤)と、皮に艶のない芯藤として使われているものの総称で、径4〜12ミリほどのもの。 皮藤は丸膝を裂いて皮の部分を一定の幅と厚さにとったものと、皮の中央部を細く削り取った背取りがある。この背取りを染めたものが背取染で美しいしま紋様ができる(No.772)。膝枕はこれらを巧みに組合せたり、他の材料とも組合せて作られている。種類も多い。 |
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【 藤 枕 】 | ||||
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