【外 国 の 木 枕】 木枕は世界の各地域で大昔から使われているが、紀元前の木枕で保存されているものは少ない。カイロのエジプト博物館やヨーロッパ各地の博物館などで見ることができる。 中国では後漢時代(0〜220)に方枕(六面に作ってどの面でも使えるようにした角形の木枕で「六安枕」とも呼ばれた)が流行し後漢の崔駟(さいいん)は六安枕を作って「枕有規矩、恭一其徳」とし、三国時代(220〜265)の呉の張紘は「枕賦」の中で「制為方枕、四角正端」として四角形木枕の規格を作ったりした。中国の木枕は秦時代〜六朝時代(BC722〜589)にかけて多く使われ、材料として柏、芳松、黄楊、楠、その他など種類も多く、作りも角(つの)枕(動物の角やこれを象った枕)に漆(うるし)をかけたものなどが発見されている。また春秋戦国時代(BC206〜BC770)の竹木枕で準方枕形が河南省信陽の楚墓から出土している。これは2400〜2500年前のもので発見された最古の方枕とされている。 東アフリカの遊牧民の木枕には携帯用で腰掛け兼用のものが多く見られる。木枕には革のひも(No.2502,2503,2506,2508,2518)や金属の取手(No,2505)がついて、携帯に便利な工夫がしてある。時には喧嘩の楯にもなるなど使用範囲は広い。鳥居型で地面に差し込んで使うもの(No.2504,2509,2510,2517)、自然木を利用して3本足としたもの(No.2531,2532)、さまざまな形に木を彫り込んだもの(No.2510他)、人物像(No.2521,2522,2524,2535)や動物の形としたり、図柄として彫り込んだもの(No.2507)、大小や囲や種族によっての違いもあって驚くほどいろいろな形がある。また腰掛け用を主体とした枕兼用(No.2545)などもある。 その他朝鮮半島(No.2546)、フィリピン(No.2537〜2541)、中国、インドネシア、タイなどの一部を記載した。 |
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No.2520 |
No.2521 |
No.2521 |
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