寝装品 84.敷 布 |
85.パジャマ 現在「パジャマ」と呼ばれている上衣とズボンを組み合わせた形の寝巻きは、九〇〇年代のイスラム時代にはあったとされているが、ヨーロッパでは寝巻きが使用されたのは1600年代になってからであり、それまでのヨーロッパでは、一部の上流階級でも裸に布を巻き、その上に毛皮をかけて寝る形式であり、多くは昼間の衣類のまま、ごろ寝をするのが普通であった。 19世紀にはワンピース形の寝巻きもできてきたが、1900年代後半になって上衣とズボンに分かれたパジャマが使用されるようになった。 パジャマの語源はペルシャ語、ウルドウ語(パキスタン公用語でヒンズー語・ペルシャ語・トルコ語が混じってできた言語)の「パエジャマハ」(脚を包む布)からといわれている。この「パエジャマハ」はゆったりとしたズボンで、室内着として使われていた。インド駐留の英仏人がこれを真似、改良をして作り、これがヨーロッパに普及し、さらに上衣と組み合わされて現代の「パジャマ」となったといわれている。 パジャマは直接体を包むので選択に当たっては素材は吸湿性・保湿性がよく皮膚感覚のよいもの。洗濯強度のよいもの。その点綿は最高といえる。寸法は身体を束縛しないゆったりとしたものであること、色柄デザインは個人の好みもあるが、何れも寝室の雰囲気に合った落ち着いた清潔感のあるものがよい。 昭和の初めごろから市販されていたが、それまでの寝巻きに代わって大きく普及し始めたのは昭和40年ころからである。最近では部屋着兼用ということでファッション性の高いものがあるが、部屋着兼用では衛生的にも如何かと思われる。床面からのダニ防止の面からも兼用でない方がよい。 |