寝装品

84.敷 布
敷布はいつ頃から使われていたのかは不明であるが、数量は少ないが、明治の初期には輸入の綿白布が敷ぶとんの覆として使用されている。また明治36年には博覧会で小川平助氏の工場の製品が三等賞を受けているが、この工場は明治23年に創設されている。明治30年ころには衛生上から地方警察令で旅館の寝具には敷布の使用が決められ、一般の衛生思想の向上もあって敷布は急速に普及された。
敷布は就寝中の汗をよく吸いとり、敷ぶとんの汚れを防ぐ作用をしていて、洗たく回数も多くなるので、清潔感とともに吸湿性、敷ぶとんへの防汚性、洗たく強度がよいなどの機能が必要である。その点から素材としては綿が最適である。夏用の敷布には、べとつかず、さらっとした感触がよいので、凹凸のある桝目織りや吸湿性の少ない合繊を混紡したり、麻やい草のように体にべとつかない素材のものなどが使われている。冬用にはやや厚目の綿布を起毛した保温効果のあるものなどが使われている。体動による摩擦の多い中央部を厚く織ったり、目を楽しませる色柄をつけたり、周囲にゴムをつけて敷ぶとんを包み込むものなど、さまざまな工夫がされている。

85.パジャマ
現在「パジャマ」と呼ばれている上衣とズボンを組み合わせた形の寝巻きは、九〇〇年代のイスラム時代にはあったとされているが、ヨーロッパでは寝巻きが使用されたのは1600年代になってからであり、それまでのヨーロッパでは、一部の上流階級でも裸に布を巻き、その上に毛皮をかけて寝る形式であり、多くは昼間の衣類のまま、ごろ寝をするのが普通であった。
19世紀にはワンピース形の寝巻きもできてきたが、1900年代後半になって上衣とズボンに分かれたパジャマが使用されるようになった。
パジャマの語源はペルシャ語、ウルドウ語(パキスタン公用語でヒンズー語・ペルシャ語・トルコ語が混じってできた言語)の「パエジャマハ」(脚を包む布)からといわれている。この「パエジャマハ」はゆったりとしたズボンで、室内着として使われていた。インド駐留の英仏人がこれを真似、改良をして作り、これがヨーロッパに普及し、さらに上衣と組み合わされて現代の「パジャマ」となったといわれている。
パジャマは直接体を包むので選択に当たっては素材は吸湿性・保湿性がよく皮膚感覚のよいもの。洗濯強度のよいもの。その点綿は最高といえる。寸法は身体を束縛しないゆったりとしたものであること、色柄デザインは個人の好みもあるが、何れも寝室の雰囲気に合った落ち着いた清潔感のあるものがよい。
昭和の初めごろから市販されていたが、それまでの寝巻きに代わって大きく普及し始めたのは昭和40年ころからである。最近では部屋着兼用ということでファッション性の高いものがあるが、部屋着兼用では衛生的にも如何かと思われる。床面からのダニ防止の面からも兼用でない方がよい。

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