白崎枕コレクション1,000余点に
古書・博物館などの枕を加えて写真紹介
写真 古枕散歩
白崎繊維工業株式会社 研究室  白崎繁仁

 

第11回 変った枕(枕でない枕)

【 変った枕(枕でない枕)】

直接頭頚部に当てて使う枕でないもので「枕」と呼ばれているものである。
 目枕(No.2351〜2354)
 目の疲れを除く枕。側布は絹布が多く、中材には亜麻種、ヨシ種、アズキ、塩などがある。
 首枕 
 江戸時代の役人がひと休みする時、髷がくずれないように首に当てた木製の台。
 腕枕(No.2355〜2359)
 写本の時に腕を託する枕。中国では唐代から陶製の腕枕が使われている。竹製、木製などもある。(No.2355)
 病院で注射などをする時に腕を置く枕。側材はレザー、布製などで詰め物入が多い。(No.2357〜2359)
 腰枕(No.2375〜2379,2383)
 腰に当てる枕。腰の痛みや疲れのある時など。詰め物入、藤製(No.2376〜2379)、木製、ビニール製など。
 尻枕(円座)(No.2363,2364)
 尻に当てるクッション。円形が多いので円座の名がある。ぢ疾、床ずれ防止などに使用。綿、化繊、羊毛わた、ビニールパイプ、粒などの詰め物入、空気入など・
 足枕(No.2365〜2369)
 脚部をのせる枕。脚部の疲れを除いたり、床ずれ防止などに使用。詰め物入、木製、藤製、空気入など。
 抱き枕[別名 竹夾膝(唐代)、抱き籠、竹姫、竹奴、竹夫人、(宗代)、竹几、青奴](No.2370〜2374)
 使われた歴史は古い。中国南方、アジア南方の暑い地方で多く使われている。竹製、布製で綿、パンヤ、化繊わたなどの詰め物入などがある。
 小 枕
 一般には小型の枕をいうが、ここでは江戸時代の女性が大きな
髷を結う時に使う円筒形のもの、木製、紙製などがある。
 高 枕(No.2383)
 箱枕や撥形枕も呼ばれることもあるが、この場合は昔の産褥をいう。
   高枕母も昔の覚えあり 江戸川柳
   お枕を一つ減して御本腹 江戸川柳
 脈 枕
 古代中国の脈を診て病気を治療する時に使用。陶製など。
 湯波枕(中国製の金属製湯タンポで寝床を暖める)、脚婆枕[(あしぬくめ、脚炉)中国製の足を暖める]、つの枕(半月計の両端がつののように尖っている装飾品)、ゆび枕(足ゆび、手のゆびに挟む枕)(No.2362)、肩枕(肩の部分に当てる枕)(No.2360〜2361)、箸枕(箸置)(No.2380〜2382)、曲芸の枕(別項)、信仰の枕(別項)などがある。

【 変った枕(枕でない枕) 】

No.2351

No.2352

No.2353

No.2354

No.2355

No.2356

No.2357

No.2358

No.2359

No.2360

No.2361

No.2362

No.2363

No.2364

No.2365

No.2366

No.2367

No.2368

No.2369

No.2370

No.2371

No.2372

No.2373

No.2374

No.2375

No.2376

No.2377

No.2378

No.2379

No.2380

No.2381

No.2382

No.2383