白崎枕コレクション1,000余点に
古書・博物館などの枕を加えて写真紹介
写真 古枕散歩
白崎繊維工業株式会社 研究室  白崎繁仁

 

第7回 枕箱(枕筥、枕箪笥)

【 枕 箱 (枕筥、枕箪笥)】

 枕を収納する箱のことである。枕は「魂が宿る」ものとして大切にされ、押入のなかった時代には床の上に直接枕を置くことを避けるために、簡単な作りの乱箱形のものが使われた。
 江戸時代には撥枕や箱枕ができてからは、いろいろな塗や蒔絵、家紋入など高級な枕が使われるようになったことや、撥枕、箱枕にくくり小枕をつけ、これまでより丈が高くなるなど、構造上のことや高価なこともあって扱も丁寧になって、乱箱形から周囲を囲った枕箱が使われるようになった。
 家庭用の枕箱は1個入、2個入が多く、集合所や湯治場、旅籠などでは8〜12個入が多く、角形で小型の箱枕では、さらにたくさん入れる箱が使われた。
 家庭用の枕箱には吟味されたものが多い。材料にはキリ、スギが多く、白木のもの、漆塗のもの、さらに蒔絵の家紋入のものなどがある。
 1個入は成人した娘さんのために新調されたものと思われる可愛い造りのものが、2個入のものは中央部を仕切って各々に1個ずつ、夫婦揃いの形や図柄、家紋、飾りをした撥枕や箱枕を入れたもの、くくり小枕も揃いの造りや図柄としたもの、中には同じ2個入でも坊主枕と箱枕を組合わせたものもある。このような時には坊主枕
と箱枕のくくり小枕との側布の図柄や紋様を同一に揃えてある。
これらは旦那が坊さま、医者、学者、画家、占師など職業がら髷が小さく箱枕や撥枕のような丈の高い枕が必要のない人の場合が多い。昔は嫁入り道具の大切な一つであった。
 またタンス式に組込まれたもの、2段式の棚で枕は乱箱形の箱に入れて下段に収め、上段には香炉、くし、髪飾りなどの小物を入れた箱を置いたものなどがある。蒔絵や螺細入りなど豪華なものも作られていた。

【 枕 箱 】

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宮川長春画 江戸時代