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第3回 箱枕 |
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【箱 枕】 箱枕は重い木枕に代わって詰め物枕と共に古くから使われており、歴史が長いだけに種類も数も多い。 角形の中型、小型の箱枕には、かどが角型や丸型のもの、二方向の面に溝又は凹線をつけたもの、三方向が凹になったものなどがある。小型のものは携帯用、仮眠用、旅籠用に多く、これらにはくくり小枕はつけない。大型の角形枕には物入れの引出付がある1段引、2段引、3段引などがあり、貴重品入れとして家庭や長期の旅行時の物入れとした(道中枕など)。家庭用ではくくり小枕付が多く、箱に紋様のついた紙や布を張って美しく仕上げた枕(はり枕)などもある。 多角形の枕は箱の両側面に角をつけた六角形が主で趣味の枕として作られたものか数は少ない。角形や安土形と比べ安定がよくない。 安土形(安土枕、朶枕、射朶枕)これまでの角形を上部から底部にかけて末広がりにして底面広くして安定をよくした枕で、家庭で使う箱枕の主流となった。形が弓の射場の安土に似ていることからこの名がある。これも当初は平底であったが次第に改良されて船底となり、頭部の動きも容易となった。更に引出付や塗りや蒔絵にもさまざまな工夫が凝らされ美しいものがたくさん作られるようになった。 半丸形(半丸枕)、香枕(枕香炉、匂い枕)、入れ子枕(夢想枕、套枕)の3個組、5個組や坂枕(坂になった枕)などがある。 材質ではキリ、杉、ケヤキ、ヒノキ、カキ、などが多い。また箱枕の生産がタンスや家具の生産地に多いのは、端材を有効利用したことによる。 |
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