【詰 め 物 枕】 布、ござ、革などを袋状にして、その中に詰め物を入れて大きさや形を整えた枕で昔も今も多くはこの詰め物枕である。大人から子供まで大小のサイズがあり、いろいろな形によってそれそれの呼び名がある。 丸形(くくり枕、坊主枕、丸枕)、平形(平枕、洋枕)、角形(角枕)、くくり小枕(箱枕や撥枕につけた小枕)、長枕(ダブル枕、大名枕)、半月形(馬蹄形枕、扇形枕)、ドーナツ形(ドーナツ枕、穴枕、引枕)、動物、人形、物などを形としたもの、特定の目的で整形したものなど種類は多い。 時代の流行や地域によって作り方や呼び名も違い、叉枕の多くは主婦が有り合わせの布や側材を利用し、身近な詰め物を使って家族中の一人一人に合わせて工夫して作ったのでいろいろな工夫が凝らされているので誠に興味深いものがある。 また同じ枕であっても詰め物の品名を呼び名とすることもある。つまり、ソバがらを入れた時にはソバがら枕、もみがら入りの枕はもみがら枕というように、羽根枕、アズキ枕、パンヤ枕と呼ばれている。最近は枕の形の種類が少なく、平形が多いので、詰め物名で呼ばれることが多い。 側材は布製がほとんどで、紋様では縁起のよいもの、夫婦揃いのもの、着物などの端布などがあって限りなくさまざまなものがある。 |
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